山崎亮さんの講演を聞いてきました

「コミュニティデザイン」で知られる、山崎亮さんの講演を聴いてきました。
先日、「情熱大陸」でも紹介されていた方ですね。

大分県の企画振興部  景観・まちづくり室が開催する、「景観・まちづくりコンダクター育成講座」
の第14回とのことです。

演題は「『コミュニティデザイン』〜人がつながるしくみをつくる〜」。

お話がおもしろくて、2時間半の長丁場があっというまでした。

さいしょは、デザインということのなんぞや?から入りましたね。
50年後のニューヨークを想像して設計された、最初のランドスケープアーキテクトによる「セントラルパーク」、エンクロージャーにより都市に流入した労働者階級のくらし、産業革命以降の劣悪な都市環境から発生した、ウィリアム・モリスの「アーツアンドクラフツ運動」、同じく劣悪な都市環境の改善を目して考案されたル・コルビュジェの集合住宅のスタイルなどを引き、デザインとは、「当事者にとってのっぴきならないような事情を、美しさを伴って解決する」ことこそがデザインである、かっこいい姿かたちをつくるだけでなく、「社会の進むべきビジョンを指し示す」のがデザインである、という氏の「デザインとは?」が、独特の大阪風のおもしろい語り口で展開されました。
これは全く同感!!DABURAのDは、デザインのD。まさにそういう意味でのデザイン。カタカナのデザインというよりは、英語のdesignや中国語の設計のほうが近い気がします。
コミュニティデザインのデザインは、そういう深い意味があるのですね。

次に話が及んだのは、「人口減少社会」について。
50年後にはおよそ人口は半分になる。安藤忠雄さんのようなひとは人口増加社会のなかで仕事を得て建築家スゴロクを勝ち進んだひとだが、これからは同じ事はできない、公共事業は減る一方、都市はいままでスプロールしてきたが、これからは空き家が増え、周縁部から廃墟化がはじまる、という状況ののなか、何を考えればいいの?という話。結論としては、
・人口減少先進地にヒントがある
・人口減少先進国から発信する
イギリスや北欧は減少がゆるやか。中国やアメリカも10年で減少に転じる中、日本はいち早く急激に人口減少が進行するからトライアンドエラーでノウハウを積んで世界に役立てよう。例えば大分市が中心市街地をなんとかするために東京をみにいっても意味がない。人口80万の都市は40万の、40万の都市は20万の都市を見に行くと、50年後の姿がみられる。徳島県上勝町などのはなし、はっぱビジネス、アーティストインレジデンスの話、などなど。「とにかく、人口減少というのがあたらしいんだ」という方向に、話匠に聴衆のあたまをもっていきましたね。
この「人口減少」についてのスタンスは、少々異論有り。日本の人口減少が急なのは、政治が悪いからだと思います。政策次第で「増」は無理でも、「微減」くらいにはできるはず。ヨーロッパの人口急減抑制に成功している事例をみれば、「人口減少はあたりまえだ!!」としてしまうのは、少々強引だなと感じます。そして、世界的にみればまだ深刻な人口増局面では?もちろん各々の仕事の持ち場があるとは思いますが、これからの建築家に国境はないはず。人口増局面、人口減局面両方に処方箋を描けないとな、なんて思いました。DABURAの現在の仕事も、新築と再生が半々くらいですね。 あ、コミュニティーデザインの話でしたね。

もう書くのがつかれてきたので簡単にまとめると、
ここからさきは事例紹介。イワレねつ造、いえしま、海士町のはなし。
いかに地域とのとっかかりをみつけて、つかんで、もりあげて、地域のひとが自主的にまちづくりしていける状況をつくるか、という話。ひとつひとつはまちづくりコンサルタントとしてはオーソドクスな方法の積み重ねだと思いましたが、現実にまちのひととひとのつながりが変化してゆくのがとてもドラマティック。まちづくりコンサルタントというのは、彼だけでなくてもたくさんいるはず。そのなかで山崎氏がひとつ抜きん出て紹介されるのは、やはりひとのココロをつかんでいるからだなと思います。徹底してひとの話をきく、ひとの気持ちを汲む、そういうなかから、いま何をすべきか、どんなふうに組織作りをすべきかというふうにそれぞれのプロジェクトでゼロからかんがえているからだろうなと思いました。これはいい建築をつくる方法と全くおなじ!!
コミュニティデザイン。機会があれば是非とりくんでみたい仕事です。
あるいは、どの建築のプロジェクトも、実はちいさなコミュニティデザインかも。

あと、山崎氏は「つくらないこと」にこだわりすぎなくてもいいのになぁ〜なんてことも感じました。
「つくること」「つくらないこと」、両方できる建築家になりたいなぁと、心熱くなれた3時間でした。
山崎さん、県庁の皆様、素晴らしい機会をありがとうございました。

DABURA/光浦高史
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by dabura_m | 2011-09-28 18:47 | machi


建築家/DABURA.m代表 の 光浦高史です


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PROFILE

建築家。1977年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科を卒業後、2000年~2007年青木茂建築工房に所属。その間、住宅、再生建築、公共建築など様々なプロジェクトのデザイン・設計監理 を担当。青木氏の著作や学術研究にも参加。2009年より、池浦順一郎と「DABURA」を共同で主宰。大分市をベースに九州・山口で設計活動中。
1級建築士。

住宅やクリニックをはじめ、さまざまな建築設計・デザインにとりくんでいます。お気軽にご相談下さい。
mitsuura@dabura.info

<受賞>
2010年豊の国木造建築賞・優秀賞
ART PLAZA U-40建築家展2011にて投票第1位獲得
九州建築家バトル2011にて優勝

<作品2010>
ココロアニマルクリニック+池田邸
黒田歯科クリニック
<以前の担当作品>
湯布院のゲストハウス
「佐伯市蒲江 海の資料館・時間(とき)の船」
S邸

HP : www.dabura.info
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